金融商品・銘柄が違えば、値動きは違う
素朴な疑問です。
FXと日経平均の値動きは何が異なるのでしょうか。
数多くの金融商品、銘柄の価格は、
4本値のバーチャートやローソク足で表示されます。
どれも同じようなチャートでランダムウォークしているような感じがしますから、
同じインジケータを当てはめ、同じ根拠を元に予測を立てがちです。
しかし、こちらでは利益がでるのに、こちらでは利益が出ないということは
往々にしてよくあることです。
理由は至極単純で、値動きそのものが異なりますし、値動きの根拠も異なるからです。
どれも4本値のチャートにしてしまうので、同じと錯覚してしまうのです。
ファンダメンタル分析が値動きの違いの理解を深める
値動きの異なる銘柄が、どう値動きが異なるのか理解するために、
ファンダメンタルを勉強してみるというのは一案です。
プロのように情報戦に勝てというわけではありません。
ファンダメンタルが違うから各銘柄のチャートの価格は別物であると、
知識で認識するということです。
FXの値動きの構成要素
FXでは「通貨の相対的な強弱」を中心に展開されています。
したがって、チャートの上下は2通貨間で対称的です。
(下げの場合、若干決済通貨側が大きいとも言われます)
年単位のスパンではインフレの度合いと金利差が通貨の強弱を決めています。
月単位ではどうかというと、これが難解です。
金利、金融緩和策、GDPとその推計に役立つ統計、貿易・外貨準備の貨幣の実需など…
そして、強力なファンダメンタルの要素がありつつも、
投機的なマネーの要素が大きいのがFXです。
(ファンダメンタルより先に織り込まれる。行き過ぎてしまう。など)
日経平均の値動きの構成要素
一方、日経平均はどうでしょうか。
「日本の特定銘柄の株式の価値が、特定の計算方法によって算出されている」ことを、
前提とします。
月・年単位では金利・景気・金融緩和策が大きな影響を与えますが、
市場のセンチメントによって、過大・過小評価され適正価格に戻ることもある…。
短期もあれば、長期での投資マネーもあります。
しかし、現物よりも先物主導で変動することもあります。
また、海外資金がどう動くかで、
投機的にも長期投資的にも日経平均が変動します。
システムトレードのアプローチから値動きの共通点を考える
さて、ファンダメンタルを理解したとしても、
それだけではなかなかトレード方針は立てられません。
「値動きの根拠が異なることは理解した。そこから利益をどう出すか」です。
これについては、システムトレードからヒントを得たいと思います。
「価格の変化を根拠とするタイプ」のシステムトレードでは、
「値動きの違う銘柄に対してどう対応するのか」議論にされることがあります。
- 特定の銘柄にパラメータを合わせて調節するのか。
- それとも、多種の銘柄に適用できる普遍的な売買ルールを見つけ出すのか。
この両者のアプローチについて考えてみたいと思います。
これらについては、著書『マーケットの魔術師 システムトレーダー編』でも、
インタビューを受けた登場人物が言及しています。
『マーケットの魔術師 システムトレーダー編~市場に勝った男たちが明かすメカニカルトレーディングのすべて』

私の考えは以下の通りです。
「特定の銘柄にパラメータを調節する」アプローチは、
値動きの特性に由来するものが多いのではないかと思われます。
(ボラティリティ、取引時間軸、オーバーシュートの度合い、サポート・レジスタンスの作り方など)
「システムトレードの普遍的な売買ルールを見つけ出すアプローチ」は、
ポジションのとり方に由来するものが多いのではないかと思われます。
(ブレイクアウト、トレンドの順張りなど)
多くの金融商品では、成り行き・指値・逆指値などの
根本的な注文方法が共通しています。
これは、損益の出方が共通しているということでもあり、
値動きに、共通の非ランダム性のアノマリーを持つということに繋がります。
したがって、決して両者のアプローチは矛盾するものではないと考えています。
統計的解析からの値動きの分析アプローチ
さらに統計的に解析するという手もあります。
ボラティリティはどれくらい大きいのか。
ファットテール(大きな価格変動の確率で、対数正規分布より大きい確率の部分)はどうなのか。
そもそも、対数正規分布とどれだけ異なるのか。一山の形状なのか。
これらを裁量トレードでも要素ごとに確認して、定量化して把握するのです。
私のアプローチ
以下は私のアプローチとなります。
FX
FXでは水平線が効きやすく、
レンジからのブレイクアウト→トレンドが発生しやすい傾向があります。
ブレイクアウトを狙ってもいいですが、
その後のトレンドの押し目・戻り売りを狙っていくのもいいかもしれません。
日経平均
日経平均では、まず第一に市場のセンチメントが重要視されます。
買いでは、
- 下げによる投げ売りが落ち着いた状況で買い向かう
- 調整後にさらなる下げの要因がなければ買い向かう
- ブルになったら押し目で買う。
売りでは、
- 天井圏での逆張りを考える
(ただし、ここが天井とは当てられません。トレンドには逆張りできません) - 悪材料後の戻り売りに徹する
- 超短期の取引はわからないので、行わない
という作戦を立てています。
おわり
様々な金融資産の、様々な値動き。
あなたの場合はどう扱われていますか。
よろしければコメントでお聞かせください。