システムトレードで検証する習慣
自分の投資戦略・トレードを、
できるだけシステムトレード戦略としてバックテストすることにしています。
Trading Viewは戦略を簡単にプログラミングでき、
多くの価格データでバックテストできるので重宝しています。
(短い時間軸の場合はデータが不足しがちになりますが…)
システムトレードとは
システムトレードは
「コンピュータで定量的検証結果から生まれた売買シグナルをもとに、
機械的・冷静にトレードを行うこと」
と定義できます。
これはどういうことかと言うと、
「一定のルールやモデルを設定し、利益を生むことが過去データの検証からわかるのであれば、
それらは将来も利益を生む」という
前提を信じるわけです。
システムトレードの科学的立場
一定のルール・モデルにより再現性のある利益を生むに違いない…
すなわち投資・トレードは科学という立場なわけです。
この立場では、伝説の投資集団タートルズが、
ドンチアンシステムに類似するトレンドフォローシステムで
利益を上げたことが知られています。
『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』 | カーティス・フェイス
また、現在はブラックロックに吸収された資産運用会社、
バークレイズ・グローバル・インベスターズの投資哲学は、
「投資は科学である」でした。
投資・トレードのアート的側面
一方、投資・トレードはアートとよく呼ばれます。
例えば、ダウ理論を始めとするテクニカル分析の半分以上は主観的です。
主観的というのは、「チャートは解釈次第」ということです。
同じチャートを異なる人が見ると、
全く反対の意見や売買判断が飛び出すのは不思議ではありません。
また、投資の神様バフェットが配ったという本の著者ハワード・マークスも、
『投資でいちばん大切な20の教え』の中で「投資はアート」と述べています。
この本の趣旨によると、
その時その時の市場のコンセンサスとは異なる立場を取り続け、
投資対象の本質的な価値を見出していくような投資過程は、
一貫したものではあるにせよ、
科学的な立場からはだいぶ離れた「市場は個々の判断や洞察、ひらめきが重視される世界」
ということなのでしょう。
『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』 (日本経済新聞出版) | ハワード・マークス
システムトレードへの挑戦
私は今のところ、実運用に耐えられるトレードシステムは作れていません。
ボツにすることがほぼすべての中、
「一貫したルールで利益を上げることができたら儲けもの。
むしろシステムトレードできない要素を具体的にしたい」、
という意味でシステムトレードに手を付けています。
初めてのチャート分析と試行錯誤
株式投資を始めて、入門書によく書かれていた、
「移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロス」。
そこをきっかけにしてチャートを見始めたものの、
「なにかうまく行かなさそうだぞ」と眉唾でした。
しかし、取引にも慣れた頃、
「移動平均線の支持線・抵抗線」ということを知り、
また移動平均線によるチャート読みを再開し、
押し目買い、戻り売りを始めました。
うまくいってるような、うまくいってないような…。
ひとまず取引記録としては見返すことができるけれど…という状況でした。
その頃、検証はしていませんでした。
科学とアートの境界
現在も、売買するときはチャートとともに、多少のインジケータを使いますが、
インジケータ自体がどれだけの利益・損失をもたらすのか、
検証をした上で使いたいと考えています。
そうすることで、その手法に根拠なく頼っている部分は、
だいぶ減らすことができるのではないでしょうか。
アートの部分から科学の部分を切り出し、
なお残ったアートの部分が明確になってくると思うのです。