自分の売買行動はリテール投資家そのものだった
オプションにハマった時、
是非やりたいと思っていたのは米国株・指数オプションでした。
満期は0日から数年まで存在し、
長期であれば投資的に、短期であれば思いっきりレバレッジを効かせて・・・
現物株と合わせれば、
ターゲットバイイングからのカバードコールで、ホイール戦略ができる。
「日経225オプションよりも難易度が低く、お金を稼げるのでは」と、思っていました。
しかし、投資・トレードを振り返って思います。
自分の売買行動は、
思いっきりリテール投資家(資金の少ない大衆個人投資家・トレーダー)なのでした。
「株とオプションに熱狂する多くのネイティブのアメリカ人が、
生活からねん出したあまり多くもない資金を、
一攫千金を夢見てオプションに投じる。
それと自分にどのくらい投資・トレード行為に差があるのかを考えてみれば、
さほど変わらないのではないか」
という結論に至りました。
売買行為が似通る具体例
例えば、大相場で思いっきりレバレッジとロットを掛けて、
オプションを買ったとしましょう。
きっとその売買行為は似たり寄ったりです。
含み益が出る。利益が大きく出始める。
少し逆行し、利益が少し減る。
満期を意識し、どこかで利食いをしなければならない。
なら、今やってしまおうということで、決済する。
値動きはさらに順行するが、ポジションは持っていない。
結果的には、ホールドしてれば、車が買えるほど儲かったのに・・・。
この売買行為による利確は、損小利大の難しさから来ていますが、
トレンドフォローの損小利大よりもさらに難しい要素からきています。
売買行為を難しくする要素
自動増し玉と満期
一つは、オプションの買いの自動増し玉の性質。
もう一つは、オプションの満期です。
オプションの時間価値の減少はセータリスクとして現れますが、
実際問題大きな時間的コストの面もあります。
自動増し玉によりリスクが増大し、時間に追い立てられたポジションは、
一般的なリスク許容度とは違う側面から、リテール投資家の売買行為を不利に歪めます。
想定の必要性あるいは損失の許容
オプションは「相場の当てもの」の側面と深く結びついています。
どのような値動きの経路ならホールドし、
いつまでにどこまでの値動きになるのが好ましく、
そうなったら利食いする。という想定を現物よりも必要とします。
もちろん、満期の長いLEAPSコールオプションを裸買いして
放置するという戦略もあるでしょう。
しかし、オプションの裸買いや特定のスプレッドで損失限定ではあるものの、
価値が全く無くなったり、最大損失に近づくのを本当に許容できるでしょうか?
オプションをやっている時点で、それなりの利益を狙っているはずです。
狙う利益の大きさの反面、それなりの損失が発生する可能性があります。
その損失をリスク管理上許容できるでしょうか?
タイミング売買は長期保有のパフォーマンスを超えるか
オプションのみの取引は、短期売買の場合、タイミングが命です。
(現物と合わせた戦略はまた異なるでしょう)
現物の分割決済のように、売買タイミングの時間分散を行うことは困難です。
そのシビアさも大変ですが、それを乗り越えた先の利益というのが、
果たして、現物を長期保有したパフォーマンスより優れているのか、
考え直す必要があります。
多くの状況に対応する≒オーバートレード
ボラティリティの性質を除いて、オプション自体に優位性はありません。
「多くの状況に対応できる」というのは、オプションの魅力として語られます。
しかし、実際問題として、すべての市況でオプションポジションを構築するのは、
ただのオーバートレードです。
つづきます
以上のように、米国株オプションについて若干ネガティブに表現しました。
それは、オプションの魅力に引き付けられすぎてはいけないという戒めを込めてです。
大衆的トレードをしないためにはどうすればよいか、
あるいは小資金でどうしてもリテール投資家の行動をなぞらなければならないとき、
なにか差別化して相対的優位性となる要素はないか、
ブログ記事として少しシリーズ化をして、米国株オプションを考え直してみたいと思います。
(つづく)