はじめに
私は現在会社員として仕事をしているため、兼業トレーダーです。
投資・トレードについて、いろいろ手を出してみましたが、
結局のところ兼業としての時間的制約や、
注ぎ込めるリソース量に適合する取引スタイルに落ち着きつつあります。
一般論ではなく個人的な感想になりますが、
各取引銘柄と兼業の投資・トレードとの相性について、
少し書いてみたいと思います。
個別株(日本)
デイトレードに関しては、日中勤務する方は兼業では難しいことが大半だと思います。
しかし、スイングや中・長期投資になると話は別です。
空いた時間に銘柄を調べ、毎日の変動をチェックし、
寝る前に発注をしておくことが可能なため、大きな選択肢となります。
パフォーマンスをどこまで狙うかがポイントで、
年20%のリターンでも相当良い状態です。
信用取引を使う手もありますが、
資金・リスク管理(どこまで来たら損切りするか)の面で、
先物系より難しいと感じます。
個別株(米国株)
ここ10年で幅広い投資家に非常に人気になったのではないでしょうか。
円建てに資産を戻すのであれば為替のことを考えてなければならないものの、
ドル建てのままで運用すれば、資産分散になるという考えもあります。
中・長期が大半ですが、深夜取引もいとわないのであれば、
兼業でもデイトレは不可能ではありません。
ただ、よくある誤解に「米国株なら日本株より安定運用できる」というのがあります。
各銘柄の決算結果を見ていると分かりますが、
決算後に10%以上一気に窓を開けて急落することは、
決して珍しいことではありません。
集中投資はリスクの高いことであるということは、
個別株投資では忘れてはならないことです。
株価指数(日経平均先物)
ザラ場取引が難しいなら、欧州時間や米国時間もありますが、
やりにくいことがあります。
欧州時間は材料がない限りボラティリティが低く、
米国時間は深夜に渡るため、
どこまで監視するかというライフスタイルに関わるためです。
また、各市場で異なる市況や値動きになることも多く、
時間が限られている兼業にはスイングのポジション構築が難しい状況です。
ただし、市況悪化に対するショートや低レバレッジのロングポジションなど、
個別株選定の手間を省略してポジションが持てることは便利です。
株価指数(欧州・米国)
DAX、STOXX50、S&P500、ダウ平均、NASDAQ100などをCFDや先物を使って取引することです。
欧州時間は季節によって16:00~17:00に市場が開くため、夕方時間が空けられるのなら、
集中して取引を行うことができます。
米国時間は10:30~11:30に市場が開くため、深夜取引となります。
米国株価指数は強気相場になると、数か月上昇するため、
低レバレッジの投資運用の候補にあがります。
日経225オプション
取引スタイルと資金量で、兼業での可能・不可能が分かれてくると思います。
価格帯に応じたオプションの売りポジションを組んでいる場合、
突発的な値動きがない限り適時市況をチェックすることで対応可能です。
ただし、ザラバは少しの時間でもチェックできることが好ましいでしょう。
オプションの買いの場合、特にプットの裸買いは、
激しい値動きでどこで利確するのかが問題となり、
その時間帯が日本時間か欧州時間か米国時間か分かりません。
ただ、オプションの魅力は爆発的な利益であり、
大相場を狙う形で自分のトレードに組み込んでいます。
プロテクティブ・コール、プロテクティブ・プット、カバード・コール、カバード・プットなどの
ボラティリティトレードは、デイトレから極短期スイングとなり、
市況の継続的な監視が必須となるため、兼業には辛い取引スタイルです。
しかし、オプションで成功するスタイルの一つです。
米国株オプション
オプションの中でも人気が高く、難易度も比較的低い取引です。
特にLEAPSオプション、カバードコール、カラー取引は、
オプション特有の利便性を有効活用して、投資を行えると思います。
ただ、リスク管理・資金管理において難があると思います。
資産運用としての投資とトレードの境界線があいまいなためです。
レバレッジがかかる金融商品であり、パフォーマンスは望めるものの、
取引手数料は安くないものの、オーバートレードになりやすい商品でもあります。
FX
兼業投資家・トレーダーには有力な選択肢の一つです。
スイングもできますし、デイトレも欧州時間で通貨が動く時間帯に取引できます。
資金効率も非常に高く、スタイルによっては個別株より良いパフォーマンスを狙えます。
私も今の生活スタイルに合った投資・トレードをするなら、
FXが有力だと考えデイトレを始めています。
ただ、個別株より難しいと言われたり、
9割は負け組と言われたり、
利益を出すまでのハードルは決して低くありません。
個別株のように集中投資するようなレバレッジ・リスクの取り方は自殺行為であり、
反面、その部分はロットやストップロスでコントロールできるのがFXの魅力です。
商品先物・国債先物
取引銘柄としてはマイナーですが、CFDでの取引が主流だと思います。
これらは一度トレンドが出ると値動きが一方向に出やすく、
トレンドフォローに向いています。
その時の利益は莫大なものになるため、
選択肢の一つとして検討しても良いでしょう。
幅広い銘柄を取引できる楽しみもありますが、
ファンダメンタルズの面ではプロに勝てません。
私も債券先物なら、昨今の米国債の利上げに乗れると思いましたが、
チャート形状からエントリーしづらく、
またトレンドフォローするには資金量が不足していました。
おわりに
兼業投資家・トレーダーは、時間的制限の悩みと切っても切り離せません。
そのため、多くの兼業をしている方が専業トレーダーには憧れを感じます。
そのためには資金を貯め、
良いパフォーマンスと高い資金効率で収益を上げることが目標となることが少なくありません。
しかし、専業になって一日中市況を監視すれば勝てるというわけでもないところに、
取引の真理が隠れているように思います。