はじめに
マーケットの取引時間に関する、一年の定例行事として、
欧州・北米時間の夏・冬時間の移行があります。
今年の10月27日~11月5日においては、その以降だけでなく、
日本市場の取引時間延伸もあるため、
大きく取引環境が変わる可能性があります。
その変化を整理したいと思います。
欧州時間の市場時間
欧州は10月27日(日)をもって、冬時間となりました。
これにより、欧州の市場取引時間は以下に移行します。
日本時間17:00~翌1:00
北米の市場時間
北米は11月3日(日)にサマータイムが終了します。
それ以降の市場取引時間は以下の通りです。
日本時間23:30~翌6:00
日本の取引時間延長
11/5(火)より、株式現物市場の取引時間が
現行:9:00~15:00(11:30-12:30休止)
変更後:9:00~15:30(11:30-12:30休止)
に30分延伸されます。
指数先物などのデリバティブ市場については、
現行:
日中 8:45~15:15
ナイトセッション 16:30~翌6:00
変更後:
日中 8:45~15:45
ナイトセッション 17:00~翌6:00
の変更が行われます。

東京証券取引所の取引時間延伸等 新制度が始まります | 最新情報 | マネックス証券
現在言われている変更の影響
以上の変更により、
投資家・トレーダー間では以下のような顕著な影響が起こるのではないかと、
話題にしています。
取引時間内の決算開示
今まで多くの企業が大引け後の決算開示を行ってきました。
取引時間延伸によって、株式現物取引時間内の開示を行う企業も出てくるようになります。
ホンダなど50社超、取引時間中に決算発表 東証延長で 【イブニングスクープ】 - 日本経済新聞
決算発表「取引時間内に変更」5% 東証取引30分延長で - 日本経済新聞
開示による織り込みはアルゴリズム取引の独壇場になるため、
個人投資家には不利であるという見方が強いです。
値動きが必要以上に閑散とする可能性
日本の現物取引時間は、他国と比べて短いとされています。
その課題を含めて、今回時間が長くなったと見られています。
デイトレーダーにとっては、売買・監視時間が増える上に、
大きな売買は寄付付近とクロージング・オークション付近に集中しやすいことは
想像できるため、
長くなった時間に見合う取引の活況が得られるかどうか課題視されています。
欧州時間取引時間の大幅な変更
日本のデリバティブ市場が閉じている時間帯は、
CMEの先物やCFDが主導の値動きとなり、仕掛けが入りやすくなります。
現行その時間帯は、
15:15~16:30(1時間15分)
です。
欧州市場開始後、夏時間の16:00~16:30の30分間は取引できない時間が発生しています。
これが大きく変わります。
その時間帯は15:45~17:00(1時間15分)であり、
時間帯の長さは変わりません。
ただ、夏時間であれば、欧州時間が16:00から始まるのに対して、
16:00~17:00の1時間取引できない時間が発生します。
これについて、市場参加者の取引戦略・戦術が大きく変わる可能性があります。
おわりに
以上、市場の取引時間について、最近の変化をまとめました。
市場が変われば、エッジもとるべき戦略もおおきく変化する可能性があります。
今回は現物市場の30分の延長というものでしたが、
米国株では22時間取引も検討されています。
ニューヨーク証券取引所、1日22時間取引へ 世界で増す米国株需要に対応 - 日本経済新聞
これは、時間外で発注することも多い日本人にとっては、
うかつに仕込みの成行注文ができなくなる可能性もあります。
このブログはマーケットサマリーなどニュースをできるだけフォローしていきたいと思いますので、
大きな変化があり次第取り上げていくつもりです。