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小ロットと分割売買戦術の真価:精神的負荷とリスクを減らし利益を伸ばす

2024年4月1日

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仕事をしながら投資・トレードをしています🔶インデックス投資とスイングトレード🔶オプション・分割売買による柔軟なリスク管理を採用🔶取引銘柄は日本株(かぶオプ)・米国株(米国株オプション)・通貨(FXオプション)・株価指数(日経225オプション/先物)・商品先物と幅広く🔶FP資格勉強中

大相場を取り逃がさない小さなポジション売買の効果

株相場では、大相場でなくても、
かなり長く続く上昇トレンドに出くわすことが頻繁にあります。
「大相場だ」と思い、初動で大きなポジションを持ったものの、
ノイズの値動きに翻弄されたり、ホールドする精神的負荷が大きく、
ちょっとの利益で利確し、
その後の大部分の上昇を取り逃がすという経験をした方は少なくないでしょう。

この解決方法としては、小さなポジションで売買することです。
精神的負荷も小さく、損切幅も広く取れるため、
ノイズにやられにくく、利益も伸ばせます。
「ホールドしたら握りつぶす」というと気合が入りすぎていますが、
それくらいホールドすることが容易になるでしょう。

ボラティリティによる期待利益のシミュレーション

しかし、小さなポジションで利益を得られるのでしょうか。
ここではボラティリティの視点から少し考察してみたいと思います。

大ロット短期保持の場合

株価100円、年間変動率(=ボラティリティ)が20%の株があったとして、
長期の上昇が望めるため、ロングポジションを持ったとします。
最初のケースでは、思い切って10000株を買ったものの、
値動きに耐えきれず1週間でギブアップしたとします。
この時、期待リターンはどれくらいでしょうか。

年間変動率を1週間の変動に換算すると、
20*sqrt(7/365)≒2.77%となります。
(トレンドのため、本当はファットテールの値動きになることが多いですが、
今回は簡便のためこの計算式を使っています)
100*0.0277=27700円が、ボラティリティ的に望める利益となります。

小ロット中期保持の場合

次のケースでは、ポジションを1/4にして2500株買ったものとし、
順調にホールドして1か月持てたとします。
この時の期待利益はどうでしょうか。

年間変動率を1か月の変動に換算すると、
20*sqrt(1/12)≒5.77%となります。
1000.0577*2500=14425円が、ボラティリティ的に望める利益となります。
ポジションを1/4にしたものの、
最初のケースの半分程度は稼げていることが分かります。

小ロット長期保持の場合

さらに同じポジション量で4か月ホールドし、
長期上昇をすっかり利益に変えられたとします。

この時、4か月分換算の変動率は、20*sqrt(4/12)≒11.55%となります。
期待利益は100*0.1155*2500=28875円となり、
最初のケースとほぼ同等か少し多く得られることが分かります。
ポジションのホールド期間が4倍になると、期待利益(と期待損失)は2倍になります。

シミュレーションからわかること

もし、ポジションのホールド期間の長さを全く気にしないのであれば、
がっつりポジションを持たなくても、同等に稼げるのです。

「なんだ、稼げてもそれくらいか」と思う方もいるかもしれません。
最初のケースの大きなポジションでなんとか4か月ポジションを持てれば、
100*0.1155*10000=115500円になったのにという口惜しさは正直あります。
しかし、それが実現させるのが困難であるなら、それは皮算用です。

資金効率という面においても、
期待利益を2倍にするのに時間が4倍かかるというのは気になる点かもしれません。
ここを克服したスタイルというのが、レバレッジをかけて短期売買をする、
資金効率の良いデイトレなどになるでしょう。

ただ、そもそもの話は「長期の上昇をとれる売買ができるかどうか」なので、
これはスタイル選択の違いという話になります。

小ロットを大きな運用資金で運用した場合のメリット

この小ロット戦略のメリットを存分に利用できるのは、
運用資金が大きくなった時
です。

運用資金に対して小さいポジションではありますが、
ノイズにやられにくく、利益も伸ばせるようなトータルで勝てる売買を行え、
利益は運用資金の大きさに比例して、絶対値は大きくなります。
運用資金が小さい時よりも、安定運用が可能になるという要因の一つになります。

大ロットを本質的に長期保有できない理由

大ロットそれ自体がポジションを持つことが難しいのかというと、
そうではありません。
短期売買なら可能です。

長い時間ポジションを持つことが、
精神的、あるいはボラティリティ的に困難なのです。

ストップロスということを考えた場合、
含み損益は時間が経てば変動幅が大きくなります。
変動幅が大きくなれば、ストップロスに引っかかる確率は大きくなります。
つまり、大ロットは保有時間が経過するほど、
本質的に資金管理上のストップロスに引っ掛かりやすくなる
ため、
長くポジションを持つことが難しいのです。

分割売買のいくつかの大きなメリット

そう考えると、現物でも先物でもオプションの買いでも、
最初大ロットで資金効率よく一定金額を稼ぎ、
利が乗るか、時間が経つか、節目で分割決済し、
ポジションを軽くしたところで、
さらに利を伸ばすというのは非常に理にかなった戦術
です。

また、増し玉は、値動きのおいしいところだけロットを上げる技術です。
増し玉前は、それほど大きくないポジションのため、ホールドできるということです。

分割売買とツナギの技術を使って、株のうねり取りを行うトレード上級者は、
ポジションの大小をうまく利用して、リスクコントロールと、
いざという時の大ポジション、
売り上がりによる無理のない利益の伸ばし方を行っています。

つまり、先ほどの大ポジションのケースと小ポジションのケースの
それぞれの特徴をシームレスに行き来して、それぞれのメリットを享受しているのです。

以上のように、建玉操作というのは、
「エントリーのマーケットタイミングを分散させ、エントリーを容易にする」という
基本的効果がありますが、
それ以上に、「一連の売買プロセスでロット操作による利益の享受をしやすくする」という
効果があるのです。
売買技術として身につけることができれば、非常に強力な武器となるでしょう。

オプションの裸買いの場合

オプションの裸買いでは、
大ロットで大相場をがっつり稼ぐという夢がある一方、
小ロットでリスク管理していれば損切りを全くしなくてもポジションをホールドできる
というメリットもあります。
ただ、大ロットで損切を全くしないということはありえないため、
両者を両立させるのはほぼ不可能です。

また、裸買いはデルタがガンマにより自動的に増し玉するという
オプションの特性上、利食いが非常に難しく、
それを補うポジション操作技術として、
フリートレードや半玉利確などの実質的な売り上がり手段があります。

おわりに

私も「大相場では大ロットだ」と思い込んで、
大きなポジションを持とうとしましたが、
エントリーやホールドができないことにずいぶん悩みました。

今回この記事を書いて、本質的に難しい部分があることを再確認しました。
オプション周りを中心に、
ポジション組み換えについては知識として勉強はしましたが、
実践はまだまだだと感じます。売買技術を身につけ、
小ロットでもいいから「勝ち切る」ことを意識したいと思っています。

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Avo

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