小資金からそこそこ大きな額を稼ぐ夢
このブログのサブタイトルには
「100万円からの投資・トレードの記録です。日々の成長を記録します。」
とあります。
これは「小資金から倍々を狙う」という意味を多少含めています。
株やFXを始める方の中には少なからず、
私と同じように100万円程度、あるいはもっと小さい金額から
取引を始める方が決して少なくないと思います。
そして、「ゆくゆくは1億を稼ぐ…」と夢や目標を掲げる方も。
私もそうです。
FIRE(早期にリタイアする)はできなくても、
仕事を定年退職よりは早く辞め、稼いだ資金で旅行ができたらと思います。
しかし、そのために必要なことは何でしょうか。
絵に描いた餅になりやすい投資戦略と複利計算
ある本ではこう書かれています。
「株でしっかりとれるところだけをピンポイントで狙い、
スイングで稼ぐことで、年数回の取引をするだけで、億に届く」
これは実現可能なのでしょうか。
「怪しい…ただ、うまい人ならできるかもしれない。
でも、絵に描いた餅なのでは?」
といったところかもしれません。
年何%の複利で何年で資産いくらになる、という
誰もが投資の入り口でやるであろう、複利計算。
もし、現在の小資金を億まで届かせるには、
通常の長期投資では届かないリターンを継続して出すことが自明となります。
株なら、かなりの回転売買か銘柄への集中投資が必要になり、
FX・先物なら、レバレッジを効かせた取引で利益を積み上げる。
オプションなら、爆発的な利益が出る瞬間を逃さない。
しかし、投資・トレードを始めた人がそれを行えるかどうか、
ここに小資金を倍々にするための第一の壁があります。
倍々を狙っていく、いくつかの妥当な方向性
先ほどの本の文句が疑わしく感じるのは、
- そのための取引技術が自分に伴っていない
- そもそも実現可能性が小さい手段かもしれない
ということなのです。
この2点を克服することが、資金の倍増には必要です。
取引技術の向上に伴うものとしてマネーマネジメントも重要です。
倍々だけを狙い、リスクを取りすぎて、
結局大きく失ってしまうからです。
プロフィットファクターと勝率のバランスで分のいい状態で取引し、
破産確率が0に近い状態で短期利益を重ねていく、
というのが「倍々を狙っていく」妥当な答えになります。
もしくは「リスクを取って大勝したら、以後は取引しない」
という運要素の多い勝ち逃げの方向性もあります。
過大な期待を持たず、実現可能性の検証は必要
「こうすれば利益がでる」とは教祖や本が言っていても、
そうではないことは往々にしてあります。
切羽詰まっていたり、抱く目標や夢が大きいほど、
それらの言葉を信じて、期待も大きくなりがちですが、
実現可能性についてはよくよく検証する必要があります。
(過去検証という意味ではなく、実際自分が取引してみた結果も検証の範囲内です)
理想の悠々自適と現実の努力のギャップから発生する葛藤の壁
次に「葛藤の壁」について述べてみたいと思います。
かなりのリターンを得ようとすることは、努力が必須になってきます。
少なくとも長期投資以上に銘柄を監視する必要があるとか、
決算資料を読み込んだり、ファンダメンタル・テクニカル分析を勉強したり、
システムトレードでプログラミングや過去データの検証に多くの時間を割いたり、
多くのチャンスを得るための優位性を見つけたりなどのことです。
取引自体にもかなりのエネルギーを費やす必要があります。
悠々自適な生活を送る夢があるのに、今は相場に張り付く必要がある。
頭の中が相場でいっぱいになる。
こういうことに葛藤を抱える人もいるのではないでしょうか。
このあたりは投資・トレードにおける、葛藤から発生する「壁」と言えそうです。
葛藤の壁を解消するための折衷案
現実的な折衷案としては、
利益の出やすいものを選ぶという選択肢が優先しつつも、
割けるエネルギー量とタイプに合わせて、トレードスタイルと取引銘柄を決める
ということです。
パフォーマンスはその後ついてくるものと考えた方が、
無理をしなくて済むように思われます。焦りは禁物です。
特に兼業トレーダーの場合、時間的制約が生じますが、
利益が出始めるまで、入金によって試行錯誤できるという面もあるため、
兼業の間に、自分の状況を冷静に分析してみるというのは一案だと思われます。
おわりに
いろいろ書いてきましたが、私自身がまだ修行の身です。
このブログは目標達成までの過程を、記録・言語化する試みで書いているため、
また、進展があったら書き残したいと思います。
追記:損切幅とレバレッジコントロールの必要性
小資金で投資・トレードを始めたときに、
特に損益や心理的に影響されるものとして
レバレッジが挙げられると思います。
短期売買でレバレッジを上げれば上げるほど、
銘柄の価格のノイズに振り回されやすくなり、
ポジションをホールドできなくなります。
かと言って、無理にホールドして逃げるときに逃げなければ、
株価暴落時の信用取引のように、
大きなダメージを受けた状態で投げ売りをせざるを得なくなります。
ラリー・ウィリアムズが著書
"Long-Term Secrets to Short-Term Trading (Wiley Trading)" | Williams, Larry
『ラリー・ウィリアムズの短期売買法【改定第2版】 (ウィザードブック) 』: ラリー・ウィリアムズ
にて、「損切り幅を広げた場合、同じ手法でも利益が出やすくなっている」
ということに言及しています。

また、トレンドフォロー戦略の場合は、一般的に、細かく損切りしつつも、
損切り幅は適度に広めにとることで大きな利益が得られることが検証されています。
つまり、あえてレバレッジを下げ、損切り幅を若干広めに取ることは、
有効性のある戦術となりうるということです。
「小資金から億を狙うためには、短期の回転売買しかない。
高レバレッジで、損切りはきっちり」と思い込むまえに、
損切り幅やそれに伴うレバレッジについても検証を加えてみると、
取引技術に向上する余地を見つけることができるかもしれません。