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投資・トレードにおけるメンタルの重要性と損益への直接的な影響

2022年10月30日

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仕事をしながら投資・トレードをしています🔶インデックス投資とスイングトレード🔶オプション・分割売買による柔軟なリスク管理を採用🔶取引銘柄は日本株(かぶオプ)・米国株(米国株オプション)・通貨(FXオプション)・株価指数(日経225オプション/先物)・商品先物と幅広く🔶FP資格勉強中

メンタルの重要性と2つの側面

投資・トレードではメンタルが大事だと言われます。
メンタルが安定することで不合理な行動を控えることができ、
収支が安定・改善するからです。

メンタルには2つの側面があります。

  1. 冷静さや精神修練のような禅的な心的状態
  2. 損益に関わる行動を起こしてしまう心的要因

今回は後者について話題に取り上げたいと思います。

メンタルと損益の因果関係の存在

    「因果」という言葉があります。
    「これがあるからこれが必然的に起こる」という意味です。

    投資・トレードのメンタルにおいても、
    こういう心理状態だからこういう損益が発生する」という因果関係が存在します。
    この記事では、心理状態と発生する損益を直接的に結びつけることにします。

    「心理状態が即損益に反映するのか」という反論もあるかと思います。
    しかし、不合理な心理状態に基づいた行動をとれば、
    確率的に損する結果を招くことは予想以上に直接的です。

    プロスペクト理論

    よく言われるプロスペクト理論を例に挙げます。
    これは、確実な利益を取ろうとし、不確実でも損がチャラになる可能性に賭ける
    人間の不合理なバイアスです。

    「プロスペクト理論を理解し、合理的な行動をとることで損益を改善できる」と
    結論付けてもよいのですが、
    ここではプロスペクト理論の視点からではなく、損益の出方から考えてみましょう。

    値動きがランダムウォークし、対数正規分布を取ると仮定します。
    取引にエッジは存在せず、無限回試行すれば期待値0になるとします。
    すると、利益の出方(平均利益・平均損失・勝率)は、
    エントリーポイントからの利益確定ラインと損切りラインの幅に規定されます。

    利益確定ラインをエントリーポイントに近づければ勝率は上がり、
    損切りラインをエントリーポイントに近づければ勝率は下がります。

    この時、プロスペクト理論に従って、
    「確実な利益」を取ろうとする行動は、
    2種類に分けられます。

    1. エントリー時に損切り・利益確定ラインを明確にした取引
    2. 塩漬けにした取引が利益になった場合のやれやれ利益確定

    エントリー時に損切り・利益確定ラインを明確にした取引

    1つ目の「エントリー時に損切り・利益確定ラインを明確にした取引」は、
    定義通り、損切りと利益確定ラインの幅に応じた
    勝率、平均利益、平均損失となります。

    トレンドフォローの場合は「損切り:利益確定」の幅が「1:2~無限大」とすると、
    勝率は30%~40%と低めになります。
    「損切り:利益確定」の幅が「1:1」の場合、勝率は50%。
    スキャルピングの場合、「損切り:利益確定」の幅が「1:0.2~0.8」で
    勝率は60%~90%となります。

    投資・トレードは、この基本的な損益の出方をベースにしつつ、
    確率的にトータルでプラスの損益を出すことです。

    トレンドフォローの場合、勝率の向上はあまり期待できず、
    利益確定を引き延ばすことで一回の利益を大きくしてプラスを目指します。
    幅「1:1」の場合、幅は固定なため、勝率を上げることでプラスを引き出します。
    スキャルピングの場合、スタイルによりますが、
    試行回数を多くすることで内在する期待値を確率的にプラスに収束させます。

    エッジとメンタル、その結果の損益の関係

    メンタルが整っていれば、悪くてエッジのないところ、
    よくてエッジのあるところで取引ができ、
    規定された損益の出方の中でトータルプラスを出すことができます。
    (そのためにはエッジのあるところを知っていることが前提です)

    メンタル状態が悪かったり、不合理な行動をとったりすると、
    エッジがなかったり、取引すると損するところで取引してしまい、
    突っ込み買いやFOMO(取り残される恐怖)取引をしてしまうことになり、
    トータルで損となります。

    塩漬けにした取引が利益になった場合のやれやれ利益確定

    2つ目の「塩漬けにした取引が利益になった場合のやれやれ利益確定」についてですが、
    塩漬け銘柄がトントンとなって利益確定することは、
    損切りラインを定めず、利益確定ラインを0に近づける行為となります。
    損切りラインの幅を無限大にしているため勝率は劇的に上がりますが、
    利益確定ラインの幅は0に近いため、
    いわゆる「コツコツドカン」の損益の出方となります。

    メンタルがプロスペクト理論に従った結果、破産の可能性がある

    エッジの面では、多くの人が経験しているように、
    これはエッジがなく、よくてトントン。
    マイナスの期待値が大きく、損ばかりが出ることになります。

    レバレッジがかかっている場合、
    損切り幅を無限大にすると破産の可能性を許容することになります。
    ロスカットラインが実質的な損切り幅であり、
    また破産の可能性があるほどの損失・損切り幅を取るため、
    市場に参加し続けることが難しくなります。

    ナンピンについて

    最後にナンピンについて考えます。
    (ここでは1回エントリーし、その後同じロットをナンピンする例を考えます)
    ナンピンした時点でそれは敗戦処理となります。
    基本的な撤退(利益確定)ラインは、
    最初のエントリー価格とナンピンした価格の中間(平均価格)以上となります。

    ナンピンは勝率を上げると言われますが、
    ナンピンした時点での損切り幅をどうするかによって勝率が変わることは
    あまり議論されません。

    ナンピンして損切り幅を大きく取れば勝率は上がります。
    (例えば、ナンピン時点での利益確定幅1:損切り幅2)
    しかし、ロットを上げ、さらに損切り幅を広げることは、
    損失が出た時に非常に大きくなることを意味します。
    その損失が資金管理上破産可能性がある場合、
    ナンピンは非常に悪い取引となります。

    そこで、エントリー時にナンピン込みの損切りラインを決めておき、
    損切りライン直前でナンピンするテクニック
    があります。
    そうすることで利益確定・撤退ラインを引き下げつつ、
    損切りラインを変えません。
    勝率は通常のナンピンより低くなりますが、
    ナンピンしないよりは高くなり、
    損失もそれほど大きくなりません。

    まとめ

    以上のように、損益の出方は損切りライン、
    利益確定ライン、エッジによって規定されます。

    メンタルはそれらの各要素の決定に因果関係的に大きく関わり、
    損益の出方を大きく左右します。

    メンタルと言えば、冷静さや精神修練的な意味合いで使われることが多く、
    曖昧に捉えられることが多いですが、
    実際はより直接的であり、メンタルと損益の出方の理解を深める必要があります。

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