必ず逆張りとは何かを考える
プロスペクト理論に従った損大利小の取引が必ず負けることを、先日の記事では書きました。
その逆は勝てる方法というのも然りで、それは損小利大の順張りであることも書きました。
今回は逆張りについて書いてみたいと思います。
「必ず負ける逆張りとは何か」を突き止め、
その逆を行えば、トータルプラスで勝てる逆張りを考えられるのではという発想法です。
この記事については、
私が考えたものであり、その正しさについては検討をお願いします。
逆張りにプロスペクト理論が加わると負ける
逆張りは通常、
トレンドフォローの押し目買い・戻り売りの手法として行われるか、
レンジ相場に使われます。
損切りラインはサポートラインやレジスタンスラインがあるため明確なことが多く、
あるいは買い下がり・売り上がりを行うことで、
ポジション操作によるリスク管理が求められることもあります。
必ず負ける逆張りとは何か。それはプロスペクト理論に基づいた売買をすることです。
「それは先日の記事に書いたことでは」という指摘があるかもしれませんので、
少し違った面から述べてみたいと思います。
必ず負ける損大利小の取引とは、
そもそも取ったリスクが大きいケースもありますが、
破産確率を発生させるほど、損を大きく育ててしまったという点に
起因します。
損を大きく育てるのは、逆行するトレンドと必要以上のレバレッジです。
ロスカットせず、逆行するトレンドで含み損を育てるというのは、
トレンドに逆張りし続けるということと同じ意味です。
また、過剰なレバレッジは、本質的にポジションのホールドをすることができません。
望む値動きの前に発生した、少しだけ突飛な程度の値動きにも関わらず、
ホールドしきれず、損を育て、ロスカットしてしまいます。
そう考えると、必ず負ける逆張りとは、
「レバレッジを過剰にするか、逆行するトレンドが発生しても損切りしない」
ということです。
勝てる逆張りとは
ここから逆転させ、「勝てる逆張り」を考えます。
まず、「逆行トレンドが発生したら、破産確率が0になるようにすぐ損切りする」
ということでしょう。
やはり損小であることは必要条件です。
逆張りの場合、
値幅のあるレンジに対して仕掛けるか、
値幅がない場合は数%から10%程度の勝率の高さと取引回数を必要とする戦術です。
リスクリワードが1.5~2:1なら、勝率40~50%、
リスクリワードが1:1なら勝率50%ではなく60%となるようなエッジを求めます。
勝率の高さは損切り幅の広さから持ってくるものではありません。
むしろ、利確幅を狭めることで勝率を高めます。
利大ではありませんが、リスク管理がなされているので損小のままなのです。
次に、過剰なレバレッジに関しては、
ポジション量を落とすことが正攻法でしょう。
ちょっとの値動きによってロスカットしないレバレッジ・ポジション量調節、
分割売買による建玉操作、資金管理上も問題のないポジション量。
当たり前のことに思えますが、
望む結果を強欲によって手放すことの無いように取引を行うことこそが
「リスク管理」と言えるのではないでしょうか。
まとめ
正直なところ、
損小利大のトレンドフォローもレンジ相場の逆張りも、
勝てる売買法としてはありきたりのように感じるかもしれません。
ただ、エッジを本当に得た状態で逆張りするというのが腕の見せ所です。
単純にサポレジラインで逆張りしていれば、
勝率が50%より高くなるのか。
何かエントリー基準にフィルターを追加したり、
短期足をつぶさに観察するような必要性があるのではないか。
そのような点に、売買の技術があるように感じます。